一番悲しいエンディング・テーマ
- アーティスト: 松任谷由実
- 出版社/メーカー: EMI Records Japan
- 発売日: 1999/02/24
- メディア: CD
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素晴らしい。
ところで、初めて好きになった歌手はユーミンです。日本のキャロル・キングの名に相応しい。本人も一番好きと公言していたし。
いや、若干20歳前後で全共闘の青春を見事に歌い上げてしまった「『いちご白書』をもう一度」を書いてしまった人は天才だと思います。はっきり言って、綿〇りさより全然才能があったと思います。あれを聞いて当時、感動していたうちの親の世代なんて、まさか20歳そこそこの小娘が書いたなんて夢にも思わず泣いていたわけですから。(映画『いちご白書』概要)
そもそもユーミンとの出会いは、そろばん塾の帰りに拾ったデモテープ。
当時は別の歌手が人気のある歌謡曲を歌ったテープが安価で売られていた時代だったのだが(トリビュート盤とは別)、偶然拾ったテープにユーミンの曲が入っていて、その楽曲のよさにずぶずぶとはまっていった。
当時、小学生だったオイラはなけなしの小遣いでユーミンのCDを買いまくり、全部そろえてしまった記憶があります。
ちなみに呉田軽穂はユーミンの別PNですが、こうして見ると改めて楽曲提供の多さが分かる。つーか、すげー…。
で、近年のアルバムに関してはかなりさぼっています。つーか、80年代のユーミンがすごく好きなので、90年代はイマイチ…という感じなんです。
荒井由実時代も当然好きなんですけど、自分的にベストなのは松任谷になったばかりから80年代ジャストまで。
アルバムで言えば、「悲しいほどお天気」から「ダイアモンドダストが消えぬ間に」くらいまで。一番脂が乗っているというか、個人的に好きな曲が多いのは、「SURF&SNOW」から「NO SIDE」まで。「PEARL PIERCE」とか、すげー好きです。ベストです。
で、ユーミンと言えば「俺たちひょうきん族」を思い出してしまう。ちなみにオイラが一番好きなお笑い芸人は「たけし軍団」です。唯一無比の存在です。他のお笑いははっきり言って、興味ないです。つーか、軍団ほど笑わない。
話を戻すと、当時、ユーミンや山下達郎が「土曜日」にちなんだ曲を「ひょうきん族」のエンディング・テーマとして提供しており、ユーミンだと「土曜日は大キライ」「SATURDAY NIGHT ZOMBIES」、山下達郎は「土曜日の恋人」とか提供していたわけ。
「なんですかマン」とか「ホタテマン」に笑った後で、番組のエンドが流れ始めて曲がかかるとすごく悲しくなったのを覚えている。理由は分からないんだけど。
バックはブルーで左に番組のVTRで、横にクレジットという普通にあるエンド・ロールなんだが、そこにユーミンやシュガーベイブや山下達郎の曲がかぶると、土曜日だけでなく、休日そのものが終わってしまった感じがして、また月曜日が始まるのかな…欝だ…となるのと同時に、子供心にすごく感傷的になってしまったのを覚えている。時代が、何かが終わってしまうような予感…にでも晒されたといえばいいのかな。
あのエンディングには詩とも言えるような叙情性、80年代のもっていた透明性やら永遠性やらが詰め込まれていた気がする。あれを作っていたディレクターはそこらの映画監督よりよっぽど才能があると思うよ。
で、本当に時代そのものは「ひょうきん族」とともに幕を閉じたわけだが。
今も思うのはあんなに人を物悲しくさせるエンド・ロールを流していたのは、後にも先にも「ひょうきん族」しかなかった、ということ。
そのことがずっとひっかかって10数年。友達にそのことを話したら「自分もそうだった」と言っており、もしかしたら、みんなあのエンディングを見てたそがれていたのではないかと思ったり。
でも、その後に「ゴールデン洋画劇場」の高嶋忠男を見ると、さっきまでの余韻を吹き飛ばされてしまうんだよな、とここまで同じだったね。見事に。
で、80年代のユーミンが好きなのも、その頃のアルバムには「ひょうきん族」のエンディングにあった透明性とか永遠性が一番感じられるからなのでした。