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キリンジ/For Beautiful Human Life

For Beautiful Human Life

For Beautiful Human Life

キリンジとの出会いは2000年前後で、当時、オイラは表参道の一番オサレなスポット(村上春樹の小説にも登場した紀伊国屋スーパーの近く)にある編集プロダクションで働いていて、オサレ雑誌の雑誌デザインの仕事をしていた。いつも職場にはFMラジオがかかっていて、「J-WAVE」だったかなあ、そこが盛んにキリンジの「エイリアンズ」を流していた。なんでも、DJいわく「青山系」とか言って。

その割にはオサレな雰囲気とは程遠い、野暮ったい声だとか素朴だなあとか思っていた。大滝詠一ならまだわかるけど。
だけど、J-POPにしては楽曲がよすぎて気になったので、洋楽に詳しい友達に評判を確認したら、「キリンジ超いいよ〜」と彼はデビュー時からファンだったらしく、プッシュされまくったので3枚目まで一気に聴いた。

本当にどのアルバムもよかった。そして、その後に転職して、4枚目を買ったら、しばらくして退職した同僚の子が掘込兄弟と一緒に並んで撮影した写真が職場に貼ってあって、どうやら楽屋裏招待の抽選に当選したらしく、こんな近くにもファンがいたのかあと驚いたりして、そのまま忘れて幾数年。

キリンジの新しいアルバムが出ていることすら知らなかったが(出ているだろうとは思っていたけど)、その間も彼らはブレイクすることはなかった。まあ、オレンジレンジが流行るような状況でキリンジオリコン1位になったら怖いと思うよな。
しかし、最近Zくんが「キリンジって面白いなあ」というもんで、へぇーってなった。(Zくんはクラシックが好きなのだ笑)何でもインタビューが面白かったのだそうで、掘込兄弟(のどっちだろうか分からないが)が、「新しいアルバムを出したら、『箱庭』と評されて、それ以来音楽批評は一切信じないことにした」「どうして僕らはサニーディ・サービスのようなうけ方をしないのかなあ」といっていたらしい。

掘込兄弟の音を聴けば分かるけど、彼らはしっかりとルーツミュージックを勉強しているし、ブルースも当然、聞いているのがよくわかる。

Something / Anything

Something / Anything

オイラはトッド・ラングレンのファンなので、その辺と重ねて見てしまうことが多いけど。
「箱庭」云々いったのはどこのライターか分からないが、キリンジは宙ぶらりんな存在を醸すところが魅力なのであって、「箱庭」のように閉塞した音楽性はまったくないと思う。(「箱庭」いうのは今のオタク作品みたいなのを指すのだ笑)
で、思い出しついでに買っていなかった5枚目をついに購入した。

キリンジは3枚目まで音がつながって流れているような印象が大きかったんだけど、4枚目からアップテンポな曲もやりだして、5枚目は4枚目ほどアグレッシブではないが、今までの音楽性をさらにみがきのかかった傑作だった。

今のJ-POPが忘れてしまった楽曲の叙情がキリンジには一貫して感じられる。

歌詞もまったく内容がないものではなく皮肉や嫌味が含まれていて、かなりブラックなんだけど、それらから想像できない軽やかで美しくも切ないメロディーがのっかっているのが面白いというか。

  1. 奴のシャツ
  2. カメレオンガール
  3. 僕の心のありったけ
  4. 愛のCoda
  5. 繁華街
  6. ブルー・ゾンビ
  7. ハピネス
  8. 嫉妬
  9. the echo
  10. カウガール
  11. スウィートソウル

歌詞リンク。特にオススメは「奴のシャツ」と「ハピネス」。

>笑わせるなっつうの!

それと、キリンジはヴォイスラインが複雑なのでカラオケに向いていないなあと前から思う。いい曲でも歌えないんだよ。まあキリンジは聴くためであって歌う気はないけど、ブレイクしない一因かもしれないなあ。でも最近ではスマップに曲を提供したりして(「愛の灯 〜君とメリークリスマス〜」)、でも、ブレイクしないんだなあ。
本当にトッド・ラングレンみたいになってきた。

コアな音楽ファンから絶大な支持をうけていることは確かで、オサレサブカル大嫌いな人も(あんまりいなそうだが…)、聴いてみて損はしません。絶対。