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ラブコメ主人公今昔物語

Yahoo!の「モーニング」25周年特集で久々に『BE FREE!』を少しだけ読んでしまった。
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江川達也は好きじゃないけど、『BE FREE!』はリア厨の頃に読んだので変な懐かしさがある。
いや、今見ると絵が古いなあと思うけど。
それと、当時はすごいエロい漫画と思っていたんだけど、今改めて読むとそんなにエロくない…かな。
オイラは丘野ひろみがすごい好きだった。

丘野ひろみ(おかの ひろみ)

女生徒。第4話から最終話まで登場した。ボサボサ髪をポニーテールで結んでいる。笹錦にひたすら恋焦がれるが、あまりに純真であるため声をかけることすら出来なかった。それどころか、初めは声をかけられると逃げ出す始末だった。それでも正月に笹錦のアパートに挨拶に行き、すごろく(この「すごろく」という言葉には何か想い入れがあるらしい)をしようとさそう積極さを発揮するが、その場にはすでに島本先生と伊福部が来ており、彼女はショックを受け逃げ帰ろうとするが、笹錦に止められ皆ですごろくをする。虎子光に2度も犯されそうになり、危機一髪のところを笹錦に助けられる。もちろん処女であるが、最終的に笹錦と結婚するのは彼女で、それまで処女は守ったらしい。笹錦との結婚写真は丘野が笹錦を抱っこしている。
柔道部所属で実力は超高校級だが、主将の意地悪のため3年まで試合に出ることが出来なかった。(卒業後はオリンピックで金メダルを取ったらしい。)怪力の持ち主で、コンクリートも破壊する。笹錦に抱きつくと背後のブロック塀が破壊されてしまう。自転車をこがせると、ママチャリでカウンタックを追い抜かすほどのスピードが出る。食欲も旺盛で、泣きながらラーメン30杯くらい平らげたこともある。笹錦を慕う者の中で最も腕が立ち、自転車も早いので彼女は笹錦が戦う時の最も役立つ戦力である。


BE FREE! - Wikipedia

うわ、「オクテだけど怪力の持ち主で泣き虫で大食いのポニーテール」って今見てもすごい萌えキャラじゃねーか笑。

80年代は今より規制がゆるゆるだったせいもあって、少年漫画もその辺あけすけだった。
それで『BE FREE!』を読み返して「あーそうそうこの頃のラブコメエロコメ)漫画の主人公ってみんなこうだった」と改めて思った。

共通点はスケベで、でも変な自信に溢れているお調子者…自分がスケベであることを絶対に隠したりしない。欲望に忠実で女の子がいれば襲うような、頭の中はいつもセクロスのことばっか考えていて、だけど無意味に自信過剰。
遊人の『ANGEL』も山本直樹の『極めてかもしだ』も遠山光にしろ、江川達也にしろ、みやすのんきにしろ、考えてみれば『うる星やつら』のあたるだって、みんなそういう主人公だった。そろいも揃ってそうだった。

だけど、今の漫画にはこの手の主人公が皆無なよーな…
編集者と話したときに
「今はダメ男がうけるので、主人公はダメ男がいい」
といわれたけど、そうそう「ダメ男」。

今のラブコメエロコメ主人公は自信のない臆病で頼りなく、だけど女の子に好かれてしまう優男、普段からスケベな欲望をさらけ出したりしない、オクビにも出さない、清廉潔白(に見える)タイプ。
エヴァ以降顕著になった主人公像だが、今の読者はダメ男に感情移入すると、この辺の議論はギャルゲの人たちもしているけど、大概「自分の学生時代がそうだったようにこういう主人公のが感情移入しやすい」っていう論が多くて、そういや自分もDQNにほど遠い学生だったなと思い、「ふーんそんなもんか」と思ったけど、今の主人公像がぜんぜん好きになれないでいる。
むしろスケベ全開で積極的だった80年代のエロコメ漫画の主人公像のが全然好感持てる。だから「感情移入説」は信じていないのだが。

そして久しぶりに自信過剰な『BE FREE!』の主人公を見て、今の主人公像と80年代の主人公像を並べた時、あることに気づいた。

今の主人公にある「自信のなさ」ってのはそれこそ、今の日本人全員の共通感覚じゃないのだろうか…と。臆病で消極的、だけどタナボタ的幸福は望んでる。
80年代は景気もよく何よりバブルがあった。意味もなく自信過剰になれた。日本人全体が。
だけど、今の日本は全員不安そうな顔していて、お先真っ暗だと思っている人が多い。

そう言えば一度だけ会ったことのあるキューバ在住の日本人女性が「ダンナ(キューバ人)を日本につれてきた時、『日本はこんなに豊かなのに、どうして誰もが不幸そうな顔をしているんだろう?』って聞かれて、言われてみればキューバの人は道を歩いていてもみんな幸せそうな顔をしているのよねえ」と。
その時オイラは、「ラテンの国と比較すんなよ」と思って流したけど、これは案外大げさな話じゃないのではなかろうか。

キューバは貧しくて苦しいけど、みんな自分の国を愛しているから、不幸な顔をしないのね」とも言っていた。

80年代系リバイバル雑誌が相次いで創刊され、リバイバル作品も増えているけど、当時のヒーローを再登場させたところで、もはや懐メロやノスタルジーでしかなく、広い共感は得られくなってしまっているのではないだろうか。

よく知らんけど。