80年代フォロワー
誰にでもヘビーローテ本ってあると思うのです。
それは、何度も読み返してしまう漫画ということです。
大体足元に転がっていて普通のコミックスより汚れていることが多い。
その位好きで、一生売ることはないだろうと思われる本のこと。
オイラの場合は以下です。
めぞん一刻 (1) (Big spirits comics)
- 作者: 高橋留美子
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1992/07
- メディア: コミック
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個人的に高橋留美子の描くキャラの顔がどんな漫画家の描く顔より好きです。頭と目が大きくて鼻と口が小さくて、本当にかわいいベビーフェイスだと思います。よって、巷で流行っている美少女キャラは全然好みじゃない。誰が何と言おうと、他のはちっともかわいいと思わないんです。実は。
そういえば、高橋留美子が一番好きな作家が池上遼一だっつーのは、あまりに有名な話。
- 作者: 山本直樹
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 1998/03
- メディア: コミック
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山本・森山漫画はほぼコンプしていて、出版違いとかも持っています。同じのを何冊も持っているということですが…例えば『かもしだ』だと小学館版とフランス書院版を持っています。
ちなみに漫画界で一番エロ描写が上手だと思う。誰が何と言おうと。神です。
考えてみれば高橋留美子も山本直樹も小池一夫の劇画村塾の出身なので(他には原哲夫とかいるが)、結局、池上繋がりになるということかな…
正直言うと、普通の成人向けコミックでヘビーローテはあまりないです。
ずっと少年漫画・青年漫画のH系程度しか知らなかった人間なので…
例えば、くらもちふさこはすごく尊敬しているのだが、それほど常駐で読み返すことってあまりないのです。
読み返すことがないからといって、それが必ずしも愛着と同等ではないこともあるわけです。
そうなってしまうのは、作家性の違いだと思います。好きになる漫画家が必ずしも、自分に作家性が向いていることで好きになるわけではないんで。
ヘビーローテになる本は、ぶっちゃけ自分が考える漫画の最良の形として存在している漫画です。目指している方向性が同じ…と言うことになると思います。
その為、漫画の勉強として使えるので、読み返すことになるわけですが。
絵にしても話の作り方にしても、学ぶところが多いのです。
ところで、<自己紹介>欄に80年代をこよなく愛すると謳っていますが、実は90年代が主たる青春時代の世代です。
しかし、昔から自分はずっと80年代の文化全般(漫画・映画・音楽)に好きなものが多かったわけで、今もその趣味が変わらないだけ。
と言っても、バブルはよかった、部屋の中に自転車つるすとか、そういった日本経済の隆盛期がいいと思っているわけではなく、そうした繁栄のおかげで色々なものが出てきやすかったという意味において、好きなんだと思う。
新世紀になった今でも、80年代のほうが90年代に比べて遥かに質・量ともに優れていたことは否めないと思います。90年代は80年代の狂騒の反省のためにあった時代だったからさあ…一気に保守化したしな。時代にあっていないものは売れないものと見なされ、出にくくなった時代だったと思います。
愚痴っぽくなるけど90年代って今思ってもホンットにくだらなかったからなぁ…。
パサパサしていることがかっこいいみたいな風潮があって、真面目で熱いことを嘲笑するような部分もあったし、反面、"自分探し"がブームになって、「本当は淋しいのだよぉ」みたいなこと言って、同情買うというのが流行ったわけで。
アホか、どっちも単なる甘ったれなだけじゃないか、と一蹴できそうなものが重宝された時代だったなあと思います。
うざいことありゃしなかった。
最近でも、そういうのが生き残ってはいるんですけど、逆に「冬ソナ」みたいなのがブームになって、二極化していると言ったらそれまでなんだが、やっぱりシニカルだけではやっていけないというのが表面的になってきたんじゃないかなあと思っております