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ロリータ (新潮文庫)…ロリコン


有名な本ですな。読んだのは遠い昔のことなので、大半を忘れていますが。


大概の人はこの本を読む時に過剰な期待をしてしまう。
エロいっすか。エロくないです。
そういったことを仄めかす文章が出てきますが、それはあくまで文学的な表現であって、視覚効果はありません。


で、その名の通り、いい年のおっさんが12才の女の子にとち狂う話ですが、まず、外国の女の子は発達も早いし、12才くらいでも、結構セクシャルだったりします。日本でのロリコンってのは、いわゆる「ぷに」になってしまうだろうから、そういう観点で見ても、失敗する、と。


本作ですが、このヒロイン、エロい顔と体の持ち主として描かれているのだが、おつむが軽い。頭悪そうな不思議ちゃん。しかし、実に小悪魔的で、主人公を翻弄し、主人公はそのいちいちの翻弄に「ハラヒレホラヒレ」となる、といった話。
ですから、「甘えんぼ妹」大好きな日本のお兄ちゃんは、ロリータは魅力的ではないのではないか。都合のいいとこだけ甘えて、主人公がそれに失敗したりすると、「ンハハ」と言って笑い転げるタイプ。そういうの日本のお兄ちゃんは許せないのではないか。


つまり、小説のロリータというのは、構造的には駄目男と女王様の関係に近い。


一説によると、ロリータという小説は全編、あらゆる小説のパロディーになっているらしく(この説出所が怪しいんですが)、つまり、パクリだそうで、それをナボコフの静謐で明晰で理論的な文体に置き換えているわけです。ですが、読み手は全ての出典を見抜けるはずがないので、普通の小説としても楽しめるようにはなっています。


ちなみに、ナボコフは「セバスチャン・ナイトの真実の生涯 (講談社文芸文庫)」の方が偉く感動しました。多分に、こちらの方がオススメです。