ボーイズ・ドント・クライ
- 出版社/メーカー: 20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント
- 発売日: 2003/10/24
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アメリカの片田舎で起きた実際の殺人事件を扱っていること、事件内容が凄惨な上、犯人たちは未だ反省すらしていないことでもひどい内容です。
ラストの救いの無さと見終わった後のやりきれなさには気持ちが沈むだけでした。
「アメリカのド田舎に移住した美少年、実は彼は女性であり『性同一性障害者』。しかし、彼が『女性』であるとばれた途端、遊び仲間だったチンピラ連中にレイプされ、あげく銃殺された」
これが事件の概要です。
彼が女性だっただけで、力の弱さに付けこみ暴力の限りを尽くした犯人たちの非道さと、そのシーンの残酷さは、思わず目を背けたくなるほどでした。
上映後に会場を振り返ると、女性客の大半が泣いていました。ですがこれは、ただの鬱映画にとどまらず、近年においてもなお性同一性障害者への理解のなさと偏見、差別、殺人も肯定するような社会があることを周知させることとしては、観衆に対し大いなる啓蒙を齎す結果にもなったと思われます。
< 第23回東京国際レズビアン & ゲイ映画祭(TILGFF) >
その直後に毎年恒例の「東京国際レズビアン & ゲイ映画祭(TILGFF)」で『ブランドン・ティーナ・ストーリー / The Brandon Teena Story』と題された『ボーイズ・ドント・クライ』と同事件を扱ったドキュメンタリーが上映されました。先の映画のおかげか会場は満員で、そのほとんどが女性でした。
映画のせいか「ブランドン・ティーナ」という実在した美少年であり女性でもあった彼女に惹かれた人たちが足を運んだ結果でしょう。
殺害された実際のブランドン・ティーナも写真で見る限り「稀に見るキュートな美少年だった」と語られるほど、本当に綺麗な少年でした。
しかし、女性であることが発覚した直後のレイプ事件の聞き取り調査で、担当警察官が「その年で処女だった?冗談だろ」、「第一どうしてそんな男の格好をしてるんだ」などとバカにしたような質門を、彼女にくりかえしてた様子が録音に残っていました。
現在も服役中の犯人達へのインタビューもありましたが、主犯の男性は「あいつは悪魔だった。殺して当然だった」と未だに言い張りつづけているのです。
『ボーイズ・ドント・クライ』はその年の映画賞を総なめにし、絶賛と高評価でした。主演のヒラリー・スワンクの相手役だったクロエ・セヴィニーも『KIDS』の頃に比べると、キレイな女性に成長していて、その姿を見ることができたのも自分は嬉しかったです。
- 出版社/メーカー: 東芝デジタルフロンティア
- 発売日: 1999/08/27
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ヒラリーは、この映画から、イーストウッドに白羽の矢を立てられ、数年後、『ミリオンダラー・ベイビー』の過酷な運命を辿るヒロインを演じ、二度目のアカデミー賞を受賞することになります。
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
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