すったりもんだりなエロ漫画ガイド
売れているエロ漫画、エロいと評判なエロ漫画のガイドは足りてますので、やっぱここは「エロくないかもしれないが漫画として傑作だ」と思われるエロ漫画ガイド。
昨今の奇形化したエロ漫画に食傷気味な君にオススメ。
これらには普通の女体しかない。普通のセックスしかない。
しかし、感動する。何故か。ここには「漫画体験」があるからです!
出会えてよかった、エロ漫画好きでよかった、エロ漫画を探求してよかった、エロけりゃいいってもんじゃない、漫画だもの、漫画として1級じゃなくちゃ1級とは呼べないんジャマイカ? そう思わせてくれた作品を紹介します。
- 作者: 池上遼一
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1999/07
- メディア: コミック
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- 作者: 池上遼一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/10/22
- メディア: コミック
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で、この短編集もすごい。一番これが好きだ。
池上節炸裂! 全開! しかも文学性があって、芸術としてスンバラシイ!
中上健次に「ヨット買ってよ〜」とねだられた勝目梓も解説で絶賛。
つか、池上先生の静止画はエロ漫画に適している。
刹那的美学のエロの骨頂をここに見よ!
- 作者: 山本直樹
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 1993/04
- メディア: コミック
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好きすぎて太田出版・版も持っている。
正直に申し上げますと、オイラはこの漫画に出会う前、山本直樹氏を「ちょっと変わったエロ漫画を描く人・社会派・サブカルに好かれそう」くらいにしか認識していなくて、『ありがとう 下 ビッグコミックス ワイド版』とかも、とりたてて好きではなかった。
だけど、この1冊だけでオイラにとって山本直樹は一生かけてのかけがえのない漫画家になった。
『のんきな姉さん』は近親相姦ものなのだけど、ラストのスキー場での姉弟の感動的な会話を見てほしい。(ネタバレなので反転します)
姉「ホテルに戻ったら熱いお風呂に入ってそれからいっぱいセックスしようね」
弟「そうだね コンドームつけてね」
姉「そうだね」
弟「ずっと一緒にいようね」
姉「そうだね」
弟「泣いてるの? 何が悲しくて泣いてるの? うれしくて泣いてるの? 姉さん」
姉「なあに?」
弟「眠るなよ」
このシーンはつげ義春の『紅い花 (小学館文庫)』のパロディーにもなっている。キャラの名前は『阿部一族・山椒大夫・高瀬舟 ほか八編 (講談社文庫)』の『山椒大夫』の安寿と厨子王から。
姉が安寿子(やすこ)で弟が寿司夫(すしお)になっている。(笑)
こんな風に世間に逆らって愛しあう姉弟を書いていたのが今では嘘みたいで、オイラは悲しい。オイラはこのラスト見て一生ついていく、と思って今に至るんだけど。
これ映画にもなっていますけど、そもそもこれだけ映画的手法で描かれた漫画を、何故スクリーンで再現する必要があるのかどうか。
監督は若手の人らしいけど。まあ、きっとオイラと同じところに惚れたのかな。そうだったら嬉しいな。
というか表題作の『夢で逢いましょう』もそうだけど、山本直樹がエロ要素抜きでも十分に面白い漫画を描けることの証明となった傑作短編集。
またこういうの描いてくださいよ。本当、頼みます。
- 作者: 夏蜜柑
- 出版社/メーカー: ワニマガジン社
- 発売日: 2003/08/08
- メディア: コミック
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これが『快楽天』に連載されていたなんてなあ。つか、この頃の『快楽天』はよかった。復活させてくださいよ、夏蜜柑先生。大好きなんだよ。頼みますよ、本当。
- 作者: 八月薫
- 出版社/メーカー: リイド社
- 発売日: 2001/12
- メディア: コミック
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つか、八月薫の漫画ははずさない。どれも面白いです。満遍なくオススメします。
しかしだな、エロ漫画界きっての美人絵師だ。ため息が出る。
麗しすぎる。神々しいほどの美人。垂涎するような美人なお姉さまがあんなことやこんなことを。流れるような女体のラインを見るだけでハァハァ。柔らかそうな美しい体にハァハァ。エロい!
美人姉妹に前からも後ろからも攻められる主人公ウラヤマシス。この漫画の世界に入りたーい!
つか、つばめ荘のモデルとなった建物が東大本郷近くにある有名な某アパートだってすぐにばれるのはどうかと思ったが…。ここの管理人さんは恐ろしいほど色白なおじいさんだそうですが。
後はこの日記のアーカイブにあるエロ漫画家さんも当然オススメいたします。