いわゆる欝作品と石原の小説との相似性について
※ハイクからの転載。
いい加減、性格が歪んでいるだけ、あるいは自意識過剰、あるいは自己愛、それ故に孤立しているキャラクターが、その性格ゆえに自ら不幸を呼び込み、そのせいで自暴自棄になり、暴走し、最後は破滅してエンドみたいな作品郡を「鬱展開」だの「毒がある」だのと、他の凡作とは違った特殊で崇高な作品だと持ち上げるのはやめるべきである。
こうした作品が退屈なのは、読者に対する作者の誘導があからさま過ぎるからだ。
わざわざ誘導しなければならないような展開を作ってしまうのは、読者を信用していない証拠だし、また見下しているからだ。
どうしてそうなるのかといえば、「自分以外の人間は、モブ程度でしかない」と内心思っているせいだろう。
- 作者: 大塚英志
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2004/02/14
- メディア: 単行本
- クリック: 22回
- この商品を含むブログ (22件) を見る
- 作者: 石原慎太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1957/08/07
- メディア: 文庫
- 購入: 6人 クリック: 158回
- この商品を含むブログ (82件) を見る
つまり、こうした作品は本来なら中二病として片付けられるだけであり、その分別もつかずに無闇に持ち上げ「深い」などとほざく読者は、石原と同レベルと思っていいだろう。