東北地方太平洋沖地震について思うこと
震災直後は冗談をいうのも憚られる雰囲気はあったし、被災地の人のことを考えればどうしようもなかったと思う。しかし、あれから1週間が過ぎた。
そして今なお、冗談をいうのは不謹慎だ、パチンコ屋は営業をやめるべきだ、被災地の人の身にもなれ、とバッシングし、自衛隊はえらい、感謝してる、とエールを送る風潮にある時代を垣間見、その空気に不気味さを感じざるをえない。
何がいいたいかと言うと、この空気は紛れもなく戦時中の日本を髣髴とさせるのだ。
「ぜいたくは敵だ」「兵隊さんのために国民一丸となってがんばろう」
あの時代と今とどう違うというのだ。
これは一種のファシズムと言ってもいい。
停電の件でもそうだ。おいらの地域は電気消されているが、だからといって、免除されている23区も停電しろ、とは絶対に思わない。23区内には国の機関もあるし、関東の大半の労働者は23区で働いているわけで、そうした多くの労働者を優先させるのは当然だし、またそうでなくてはならない。
娯楽産業は自粛しろ、と簡単にいう人がいるが、そこで働いている人々にだって生活はある。もちろん、被災地の人のこと、亡くなられた人のことを考えれば、胸は痛む。しかし、われわれの日常はそれとは別につづいていくし、生活していかなければならないことに変わりはないのだ。
娯楽を自粛しろ、何でもかんでも不謹慎だ、と決め付ける人のほうこそ、思いやりにかけるのではないか。
被災地の人は格別にかわいそうで、そうでない人間はどうなってもいい、という発想のどこに思いやりがあるというのだろう。