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コメントを書きこむ前に、こちらの記事に必ず目を通してください 「処刑宣告

うつから帰って参りました。/一色伸幸

読書

うつから帰って参りました。

うつから帰って参りました。

一色伸幸うつ病だったなんて知らなかった。
一色伸幸といえば、バブル期の日本を代表する脚本家として有名になり、現在も順風満帆に活躍していると思い込んでいた。彼の名を知らない人でも以下に列挙する作品を見れば、いずれかを知っているのではなかろうか。

  • おもなテレビ作品
    • 85年 ハーフポテトな俺たち
    • 87年 同級生は13歳
    • 90年 それでも僕は母になりたい
    • 04年 彼女が死んじゃった
    • 05年 おとなの夏休み

http://www.dreams-come-true.co.jp/grandslam/isshiki.htmlより

一色伸幸うつ病に罹ったのは94年、34歳の時で、それから約4年間、98年頃まで発病していたとのこと。32歳の頃から調子が悪くなり始めたそうなので、潜伏期間(うつ病だと自覚するまで)を含めると丸6年の闘病になる。
自分の場合は3ヶ月間の潜伏期間を経て、ある日突然、落雷が落ちたかのごとく発病したので、過程はかなり異なっているけれど、発病してからの「消えてしまいたい」願望はよく分かる。
どうして、と聞かれても、ただ、そう思うだけだ、としか応えようがない。今までに培ってきた自信が全て虚勢だったと判明し、自分が無価値に思えて仕方がないのである。患ってから丸10ヶ月が経過したが、この頃やっと回復の兆しが見えてきて、「消えてしまいたい」から「早く治りたい」という風に気持ちが変わりつつある。


本書は彼が脚本家としてデビューし、うつ病が発病するまでに実に100P以上を割いている。なので純粋な闘病記というより、うつ病体験エッセイと呼んだほうがいいのかもしれない。
そして、これが最高傑作であると太鼓判を押す『彼女が死んじゃった。』へと話は移っていく。

彼女が死んじゃった。 DVD-BOX

彼女が死んじゃった。 DVD-BOX

オイラは彼が手がけた漫画作品(『僕らはみんな生きている』『彼女が死んじゃった。』)とも読んでいるのだけれど、漫画原作においても脚本スタイルで書いていたことが判明した。
倉科遼は噂で聞いたところによると原作と言っても、ほとんどプロット状態なのだそうで、それに比べれば随分と丁寧である。
しかし、漫画版の『彼女は死んじゃった。』は残念ながら未完であり、そのことについてはネームは最終回までできていて、全3巻の予定だったが編集部との確執など大人の事情で打ち切られてしまった、とある。未完であることは残念でならない。そのくらい出来はよかった。


しかしながら、彼の盟友であった脚本家の野沢尚が04年に自殺しているのだから、実に皮肉なことだと思う。