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大いにネタバレ PRINCESS WALTZ

2ちゃんねるのプリワルスレがすごい勢いで回転している。1日1スレ消費してる。気持ちは痛いほどに分かるけど。
まあ、しかしスレタイが「PRINCESS WAROS -プリンセスワルツ-」になってしまったが。
確かになあ、あのうんこな2部のせいでワロスになってしまった。(今日はモルツになってたけど)

で、オイラもこのスレをずっと追いかけているけど、スレ住人が提案しているように真説の第2部を妄想することしか慰められない気分になってきた。

質は決して悪くない。というか、むしろ最上だった。設定・世界観・キャラも。オイラはすげえ食わず嫌いなので、気になっても気になっただけでプレイしない、とか、大半は情報時点でスルー決定、体験版やってもスルーすることが高確率で、オタクにしては異例なほどにストライクゾーンが狭い人間なのです。
だから、プリワルが思ったような出来じゃなかった時点で忘れることも可能だし、わざわざ時間割いてこんな記事を書くことは本来のオイラだったら決してしなかっただろう。
でも書くのは、プリワルが好きだから。忘れがたいから。すげえ惜しいから。
どーーーしても書かずにはをれない気持ちにさせる。2ちゃんねるのスレ住人の粘着も多分そうゆう理由だと思うし、今や公式の掲示板も荒れ放題だけど、信者からアンチにかわったというより、何とかなんない? という人たちが大半だからではないか。

それで話を戻すと、プリワルは出会ったときから驚くほどのクリーンヒット、というか、同じバトルアクションでも「Fate/stay night」はぜんぜん手が伸びなかったが、プリワル見た時は、マジで痒いところに手が届いた、というか、これだよ、これこれ、こういうの探していたんですよ、燃えも萌えもあって、絵が超好みで単純な設定でバトルもので久方ぶりに盛り上っていたのです。
最初はキャラ目当てだったけど日がたつにつれて、全体にも情が移ってしまっていたし、その状態でプレイしたから、直後の落ち込み方が半端じゃなかった。

だって、稀に見る最上級の素材を用意して、途中までうまく料理しながら、最後はとても食えたモンじゃない代物ができあがってきたら、誰だってガッカリするだろうと。
ここまで盛大にズッコケているのは、久しぶりに見た。同じ失敗でも、失敗の仕方が上手であれば、不満はないと思うんだ。例えば、失敗しながらも萌え展開だったりすれば。しかし、本作はそゆのもない。
単に途中から本題をそれて随分とおかしな方向に飛んでいってしまっただけで、「おっと、バウンドが変わっちまった」(シェイプアップ乱)みたいな。
どこに飛んでいくんだよーお前ーみたいな気分で第2部をプレイし続けたのを苦く覚えている。それがきっと、われわれを果てしなく悩ませ、スレを消費させているのだろう。

そこで、プリワルの何が良くて何が悪いのか、どこまでが面白かったかを改めて検証し、自分だったら絶対にこういう展開にしたなあということも交えて書いてみようと思う。
願わくばメーカーは、これだけの反響を肝に銘じて、修正追加ディスクを発売した方が懸命だと思う。正直、そんなことは前代未聞だろうが、やればやったで伝説となって汚名返上もできるというものです。
そのくらい神作品になりそこねたと思います。これで成功したら「Fate」並の評価をもらえてアニメ化も夢じゃなかったのに。クソゥ、何でだ。

ここでは、あえてストーリー(シナリオ)面だけで評価していく。効果とかそゆのは端折る。
前回も書いたけど、序盤は最高。典型的な王道少年漫画のノリだけど、バトルってるのが男でなくて、萌えキャラで女の子っつーのが、すげえ新鮮だった。最初はセラムンとかウテナとか、あーいったちょろいシーンを想像していたけど、実際は命かけてバトルってたから、どの決闘も面白かった。
清白もバトルのおかげで株が上がったし。リーゼルは思ったより弱かったなあ。つか、一番弱かったのはイーリスだ(笑)
で、オイラが最初に入れ込んでいたイーリスは後半にいくにしたがってどんどんショボーンなキャラになっていき、最後はもうポカーンの域を通り越して、萌えも潰えてしまった。

だって、第2部のイーリスは単なる「器」キャラに成り果てていて、さらに中の人が主人公っつー…。。。
どうよと。萌えるなといわれたような気分になりました。しかも、姫と合身するごとに服の色まで変わるし…なんでなんで。イーリスは白だったから萌えてたのに。さらに言うと、エルディ・アークの大技シーンが好きだったのに、第2部にはでてこなくなるし。つか、でてきたけど、すげえ恥ずかしいシーンがな。もう見てらんない。orz

結局のところイーリスはクリスの成長した姿でも何でもなく、初代姫のままの姿だったという要するに盛大な釣りキャラだったことも明かされた。しかも、第2部は、イーリスと七皇の痴話ケンカを収拾することでちゃんちゃんのめでたしめでたし、というドッカーンな真相が明かされて風前の灯のような萌えが消し飛んでしまいました。

主人公も第2部にいくとどんどん悪くなっていって、オイラ的には十分に地雷キャラでした。第1部のときはいい奴だなって思ってたのに、第2部ではうざいだけの熱血キャラに成り果てて、氏んでいいと思った。(特に清白説得の場面とか、寒すぎる)
こうした第1部から第2部へのキャラ改変というか、下手すると公式による捏造みたいな印象で、激しく萎えました。特にリーゼルとか清白とか、第1部ですげえいいキャラだっただけに、どうして性格変えてしまったのか。(というか、清白は死んだはずだったので第2部でひょっこり登場した時は、そのジャンプシステムだけは激しくいただけない! 詐欺だと思いましたが)
最終的にはエチシーンのためだったのだろうが、悪くなった主人公についていくっつー時点で、DQNですよ。そーゆーキャラじゃなかったから好きになったのにー、と画面の前で空しく吼えつづけました。

逆にどうしてこのキャラを改変し、成長させなかったのだ、と激しく思ったのはメインヒロインのクリス。こいつが最初から最後までオンナオトコのままだったら、最初からその設定は意味ないでしょうと。こいつが女の子としての自我を植えつけられ、主人公を好きになって、最終的には乙女になる過程を見たかったから期待していたのに。

クリスは手塚治虫の『リボンの騎士』のサファイア王子と同じ属性なわけで、『リボンの騎士』が面白かったのはサファイアが女の子に憧れたり、誰もいないときにこっそりとドレスを着たり、でも僕は王子だからと葛藤しながら、最後に本物のお姫様になるから面白かった。
だから、クリスが最後まで王子の座を捨てないつーか、オンナオトコであることに開き直っている時点で終ったなというか、なんじゃ、そりゃあーーーーと叫びました。BLつか、性同一性障害にしか見えなかった。BLは男同士でも乙女展開があるし、これはないので、BLにもなっていないと思う。

クリスの変身の最初のきっかけは、初エッチのシーン後だった。ちなみにオイラは第1部がクリス強制ルートであることには何の異論もない。問題はその後にクリスが何の変化も見せなかったことだけです。
第2のチャンスといえた場面が、第1部のラスト、クリスが死亡するところ。あのシーンは衝撃的で良かったと思うし、その後に突如スタッフロールというのもなかなか憎い演出でした。

そこで、クリスが息絶える直前、主人公に「お前はかっこ良すぎる。あんまりかっこ良すぎるから、ぼくは…ぼくはお前の前じゃ王子でいられなくなるんだ」というセリフを何としてでも生かしてほしかった。このセリフだけに全霊かけて、第2部に繋げてほしかった。つか繋げるべきでしょう。

それで、第2部ではクリスの肉体は消失し、イーリスになってしまうという萌え展開だったらどれだけよかったか。
で、合身せずともイーリスになってしまったクリスは女性である自分を受け入れることに戸惑いつつも、真の王子である主人公を守るために必死で闘うわけです。あるいは、クリスの姿に戻るにはワルツで勝利するしかない、とか…でも、必死で闘っているうちに、主人公との絆がどんどん深まっていって、最終的にクリスはイーリスになった自分の姿を受け入れ、主人公の妃になるとかさ。
オイラはクリスも好きだったけど、本編のクリス一本道はやっぱり不満だったし、それは一本道なら一本道なりに、こういう過程を経た主人公とメインヒロインのラブストーリーになっていればよかったという不満なのです。
(主人公が実は王子だったという設定になるんだろうなあ、と思ったが「実は〇〇は××だった」という『デビルマン』システム自体そもそも寒いというか、プレーしている側は置いてきぼり感が押し寄せたりするわけです。なんだと、お前は仲間じゃなかったのか、みたいな笑。プリワルは設定上仕方ないにしても、主人公の周りのキャラがほぼ「実は〇〇は××だった」になったときは、さすがにドン引きした…つーか、姉ちゃんを隠しキャラにする必然性ってどこにあったのかっつー…最初からわかっていてよかったんじゃないかと思いました)

そこの勝敗で個別ルートが出現すればよかったし、それでマルチエンドを採用すればいいわけです。だから、エッチはワルツの真の目的である、跡継ぎ子作り大作戦でよかった。というか、そうなると最初からキャラ選択ゲームにならざるを得ないか。(笑)
で、真のルートはイーリスルートっつーことで。(というかオイラはイーリス萌えだったし、発売前の扱いからして彼女が真ルートのキャラだと信じて疑わなかったわけだが)

だけど、こうした設定だったら一本道でも無理なく展開できると思う。主人公のエッチは全部浮気とかwwにすると。本編でも王子である主人公が合身のために姫様と肌を重ねるわけで、十分な婚前交渉でしょう、しかも中だししてるしwww。だから、イーリス=クリス一本道で、その他の姫様は浮気で、最終的にはハレムでもいいけど。あ、でもそうすっとワルツの設定が邪魔をするので、ハレムの線は諦めないといけないか。

つーかさ、一番痛かったのは、第2部でワルツという設定を放棄してしまったことではないかと。第1部であそこまで盛り上げておいて、第2部でぽーんと捨て去るっつーのはあんまりだろう。
そもそも、ユーザーはワルツという設定そのものの起源などには何の興味もないと思う。設定だけがよくて、起源とかどうでもいいとオイラは思ってた。説明してくれればそれに越したことはないけど、だからといって、作品の方向性を誤るのであれば、謎は謎のままでいい。
ところが何故か、制作側はこの設定にある「謎解き」の部分に過剰に入れ込んでしまったのか、第2部という悲劇を生みだしてしまった。
ラーゼフォンにでてきそうなだっさいラスボス然り…
つか、なんつーかさ、でかい敵ほど実は弱いというか、弱く見えることも含めていい加減学習してよ、と思う。本当、あれは見ているこっちが恥ずかしくなりましたよ。
もう本当に、あのうんこ展開には、どこのロボットアニメだよ、って感じでした。
ジャンプ漫画読んでいたのに、いつの間にかサンライズのロボットアニメになっていたみたいな感じというか。いや、サンライズも面白いけどさ、当初の目的とは違うだろう、という意味です。
そもそも姫以外のラスボスなんて誰も欲しがっていなかったのでは。いっそ、ラスボスを姉ちゃんにしてクリス(イーリス)とやりあってもらえれば、最高に燃えたのに。

最大の欠点をまとめると、「物語を作りすぎ」なのです。東浩紀の『動物化するポストモダン』で近代のオタクはもはや物語など求めていない、と指摘していて、嘘つけ、とその時は思ったが、この作品には見事に当てはまっている気がする。
つか、スタッフは別の方向(設定のみ)に入れ込んでしまったというか。
第2部なんてほとんどワルツの起源の設定説明でしかないし、そのために他の部分(キャラの掘り下げ)もすべて相殺されている。そんなん説明したかったら設定資料集でだけやってくれや、って感じ。

前半のよさがある以上、クソゲーではない。しかし、ものすごい不完全燃焼。だから、うんこ。
製作者の思いだけが先走りしてしまったのだろう。
どうしてこうも詰め込みすぎたんだ。やりたいこと全部つめこめば成功するわけじゃない。取捨選択するべきですよ。やること、やってはいけないこと、やらねばならぬこと、そういうのを秤に掛けて作品を作るのがプロ集団ではないですか。オイラが上司だったら、ラッシュ見た時点で、ダメだしで作り直させるよ。ここまで素材も設定もキャラも最高に良くて、本当にもったいない。

もったいない、と言う言葉がこれほど似合う作品は他にないんじゃないだろうか。

関係ないけど、そのせいでエロシーンもイマイチ盛り上らなかったな。
お姉ちゃんのところで、主人公が「俺の思いを受け取ってくれ」とかいいつつ中だしした時は、DQNジャンボリーとだぶっちまった。

はぁ…orz
2ちゃんねるでは率直な意見のやり取りがあるけど、ブログ系ではまだその辺見てないので、他の人の忌憚なき意見も聞きたいですよ。