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このページを読む者に永遠の呪いあれ

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コメントを書きこむ前に、こちらの記事に必ず目を通してください 「処刑宣告

血と骨/崔洋一

血と骨 通常版 [DVD]

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で、1本目の映画は崔洋一の『血と骨』。
自分はこの映画で、初めて心から崔洋一に敬服した。ぶっちゃけ、この映画を要約すると「食って、やって、暴れる」というテーマしかない。だからこそ、この映画は素晴らしい。
主人公・金俊平はいったい何を目的で、どうしてこんな生き方をするのか、まったく意味不明。しかし分かるのは、日本人には理解不能な、韓国(つか朝鮮民族)に根付く儒教精神(なのか?)としての、強力な家父長制である。
圧倒的に男が強い社会。男だけが権力として認められる社会。
金俊平が拘り続けたのは息子が生まれることであり、自分の「血」を継ぐ分身の存在を執拗に欲する。その偏執ぶりは到底日本人には理解しがたい。否、これこそが家父長制なのだ。
つまり、女性は徹底的に卑下され、セックスの道具として扱われる。故に、彼女たちの情念や呪怨、どろどろの嫉妬と欲望が渦巻くのだ。

でもって日本はぶっちゃけ擬似家父長制で実質は母権国家だから、こうした異文化は受け入れがたいと感じた人もいるだろう。
つか、映画に登場する人物の誰一人にも共感できないと感じた人は多いのではないか。共感できる部分が一箇所もないと思った人も多いだろう。実際、オイラはそうだった。故に映画は賛否両論を呼んだ。しかし、「共感できない」観衆を崔洋一は容認する。容認というか無視する倣岸さ、つか強引さが画面全体にある。
これが朝鮮民族だ、これこそが父権社会だと、擬似家父長制国家の日本人に突きつける。
それを日本人が理解できないのは当然なのだ。

嵐が丘 (新潮文庫)

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血と骨』を見た直後、一番最初に思い出したのは、ブロンテの『嵐が丘』だった。この殺伐感は『嵐が丘』に匹敵する。まあ、ブロンテは愛憎劇だったけど、『血と骨』は憎々劇ですね。憎しみあいの泥仕合。

それと崔洋一はフェティッシュな映像を好むようで、「血」や「内臓」「セックス」など描写が生々しくリアルでよい。グロテスクと言ってもいい。鮮烈な血の赤が今でも忘れられない。

で、次回は『パッチギ!』について書きます。