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最近読みました

MOON LOVE (ホットミルクコミックス)

MOON LOVE (ホットミルクコミックス)

刹奈氏が逝去されていたことを最近知りました。ご冥福をお祈りします。
エロ漫画家というのは短命な人が多い印象を受けます。彼女の場合は心不全となっているので、おそらくアレでしょう。…かなりショックでした。

とりたてファンだと言うわけではなかったのですが、名前をよく見かけましたし、何より、大嫌いな松尾スズキに関わっていた人であり、『恋の門』の作中に登場した漫画は彼女のものだったはずで、傍から見ていると順風満帆な印象を受けていたものですから。
松尾スズキはおいといても、彼女のことは嫌いではなかったので、悲しいことだと思います。
前にも一度、同じ雑誌に描いていた漫画家さんが突然死というか自死されて、ショックでした。
漫画家は短命なのかもしれないなあと思ったりもします。
birthday (メガストアコミックス)

birthday (メガストアコミックス)

さて…
最近買ったのはゆきみ氏のエロ漫画。通常版が出るのを待っていたので、ようやっとゲッツです。
いろいろなところで取りざたされていますが、『オーバーマンキングゲイナー』のキャラデザにして富野由悠季に取られてしまった中村嘉宏氏、
つか胃之上奇嘉郎氏に似ているということで前から注目しておりました。
つか、パクリとかじゃなく、胃之上氏に似ているのであれば十分に期待できるな、とかなり画力があると踏みましたので。
それでその期待ははずさなかったんだな、これが。
絵だけ言えば、最高です。とてもうまい。絵の上手さだけで買いです。
しかし見事なまでの胃之上エピゴーネン。まあ、胃之上氏に比べると、劇画調ではないし、白いし(というか、胃之上氏が黒すぎる)、画面に透明感があって垢抜けているし、人好きはこちらの方がされそうかな。
内容については好みが分かれるでしょう。こちらも胃之上氏に比べると陰鬱さは低く、陵辱といっても、それほど痛い描写はないので個人的には好みです。
ただ、とても遅筆な人らしい。この絵なら量産できないのはさもありなん、というかこれで量産されたら、それはそれで不気味なのですが。
オイラが好きなエロ漫画家諸氏は絵がうまいというか凝っているせいで遅筆な人が多く、なかなかインターバルがあくので寂しいですが。
つか、どー見てもナディアのパロみたいな漫画が1本あって好みだった。あと、最初の漫画もショートメガネの子がやらていた方がよかった。ギャルがやられていてもなあ、好きじゃないのよ。ショートメガネが萌え属性だから。
あと、胃之上氏にあからさまにインスパイヤされている諸作品はどうかと。ああいう作風は胃之上氏のファンとして彼で足りていると思ってしまうし、彼以上に痛くも禍々しくも描けないのであれば正直描かなくていい。そんなわけで、ゆきみ氏個人の作家性が出ている作品のが点数高かったです。

あと、もう一冊。これはかなり前に買ったままレビュー書くほどでもないと放置いていたがついでなので書くことに。

淫笑う看護婦 初回限定版 (メガストアコミックス)

淫笑う看護婦 初回限定版 (メガストアコミックス)

米倉けんご氏の『淫笑う看護婦』。これは初回限定のおまけが欲しかったので、高いのを買った。同人誌もっとらんので、お得感があったので。
しかしだな、この同人誌の再録はいかがなものか。やおいやんけ。男性向漫画と抱き合わせにして販売するのはあまり感心しない。
しかも、やおいだがショタ臭が強い。うーん、それに普通のやおいというより歪んだやおいものだしな。フタナリ姉ちゃんが少年を犯すパターンだから、逆レイプになるのだろうが。しかしやおいだ。
あ、あと、受のチンポでかく描きすぎだ。もっとポークビッツでいいよ。だからって、平らにされても困るが(笑)。
これについては後で詳しく書く。

ヨネケン氏は女性ですが、女性エロ漫画家の中では抜きん出て上手い。つか、一番くらいに画力があることは確か。しかし、漫画はというと、いつも何かが足りないと思わせる人なのだった…。
考えたのだが、ぶっちゃけ今回の漫画でいえば萌えが足りない。
彼女の描く女性は実に肉感的で下手すれば男の子よりガタイいい。それはそれで例えば、山形せい氏はその類型に属する漫画家だけれど、エロいし、何ら不満は覚えないのだが、ヨネケン氏が描くとそうはならない。
何故か。
ぶっちゃけ言うと、あれです。かわいくないのです。

いくらガタイのいい姉ちゃんでも、たまに垣間見せる恥じらいにポイントが高いのであって、そこいくとヨネケン氏の描く女性たちはみんな、ケンカ上等準備オーライに見えて、萎えるんだよね、これが…。
いや、セクースはケンカじゃねえだろ…と。

だけど、ヨネケン氏にはまったくそれがない、というわけでもなく、また描けない人でもないので、たまに、こう稀にふと、そういう表情があるわけだが、その割合が極端に低い。
で、それは別に姉ちゃんだけでなく、性器描写にも言える。昔に森山塔氏が全盛期のときに「性器だって顔と同じ。リアルに描けばいいというものではない。やっぱりかわいく描かなくちゃいけない」と言っていて、納得しまくったけど、つまりそういうことです。

ヨネケン氏の描く性器は女性器も含め、リアルなんだけどやっぱりここでもケンカ上等に見えて、食いついたら放さん、チンポ食いちぎりますなやる気に満ちていて、かわいらしさに欠ける。それが一番大きな理由ではないか、と思った。

2ちゃんのゆきみ氏のスレッドでも言われていたけど、「エロだったら裏ビに敵うはずがなく、しかし、何故人はエロ漫画を読むのかと言えば、エロ漫画に求めているのはリアリティーじゃない」という意見があって、さらに「われわれが求めているのは特化されたフェティシズムだ」という意見が次いであった。言い換えれば、これはオイラが言ったようなことに集約されていく気がする。
つまり、そこで言う「リアリズム」とは、通常言われるリアリティーといった写実的な劇画描写といった「実在性のリアリズム」を問うものではなく、押井守が追究している「新しいリアリズムのあり方」を作家自身が創造することではないか、その「新しいリアリズム」こそが「特化されたフェティスズム」そのものを指すのではないか、ということです。
フェティシズム」を「属性萌え」「シチュ萌え」に解釈する人がいるだろーが、ここで使う「フェティシズム」の意味はまったく違います。
「表現に対する執拗なまでのこだわり」と解釈してもらっていい。
上手なんだけど、偏執狂的な執着を表現から感じないというか、「ソツがないから味気ない」というか、「欲を言えば」を前提とした感想だけど、件のスレ住人も多分にこういうことを言いたかったのじゃないかなあ。

絵がうまく、一般漫画でも十分にやっていける実力派で、しかしエロにこだわりが垣間見れないのは残念なことだ。
要するに、作者独自の個性的なリアリズム、言いかえればフェティシズムに「かわいい」「萌え」といった要素が合体したエロ漫画こそ、至極のエロ漫画と呼べるのではないか、ということです。

最後に余談だけど、ヨネケン氏は今『エウレカセブン』にはまっているようで、サイトは思い切りやおいサイトなのに、同人誌は男性向…本音と建前分けすぎだ。ヤオラーなのだろうが、ゲンキンすぎるというか商売すんなよ、同人とはそもそも本人の欲望の発露なんだから、と妙に生温かい気分になった。
正直に生きてほしいな。この辺は。